3週間ほどフランスに滞在した時に起こった出来事です
30年ほど前、少しできた仕事と仕事の合間に、フランスに一人で旅行に出かけました。当時は円高で、1ユーロ100円ちょっとだった記憶。ホテルも一泊3000円とかでそこそこのホテルに泊まれました。レンタカーを借りて田舎道をドライブしたり、美食を楽しんだり… とても楽しい思い出です。
フランスの田舎は車が最高の移動手段でしたが、パリに戻ってくると、どうも車は駐車に困るし、歩くのにはちょっと広いし…「自転車があれば最高だよなぁ」と感じていました。
そんな時、一人のフランス人の男性が小型の折り畳み自転車を畳んだ状態でコロコロおしていました。「えー!なんだあの小さな自転車は!」当時折り畳み自転車はポピュラーではなく、私は日本でも目にした事がありませんでした。「もうこれは、このフランス人の人に聞いてみるしかない!」と思った私は、その方に話しかけてみました。
「Bonjour! その自転車はいったい何ですか??」そのフランス人男性は優しく、得意げにその自転車「ブロンプトン」について語ってくれました。
そして面白いことに、私と説明をしてくれているフランス人男性の周りには、あっという間に人だかりができました。20人くらいでしょうか。特に私が日本人だから、というわけではないと思います。集まったフランス人達は、シンプルにブロンプトンに興味を持ったようです。小さくした時には「オー!」みたいな歓声が上がったり。最終的にその集まりは20分ほどだったでしょうか。ブロンプトンオーナーは得意げに自転車を組み立てて、走り去っていきました。そして、集まった人たちはあっさり解散となりました。
ほんの20分の出来事でしたが、私には強烈な印象を残しました。あっさり知らない人たちと集まれて、会話も交わせるフランス人。日本では私はそのような光景は見た事がありません。
その事は、私が日本と海外の国とのコミュニケーションの違いについて、考える出発点となりました。
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